インドと日本の間で

インドと日本の間で感じるこちらを中心に、つれづれなるままに。

つれづれ日記〜インドと日本の間で〜

家族の愛のプレッシャー

 

初めて日本に遊びにきたインドの弟。

 

来日してから3週間経ったある日。

 

朝の掃除や身支度が終わり、リビングで話していると、

 

「インドに帰りたい」と弟。

 

なぜ?と聞くと、「つまらない」と。

 

平日は主人が在宅で仕事をしているため、

みんなで出掛けるのは、平日の17時以降か休日。

 

きっと、もっと出掛けたいんだろうと思い、

彼に提案した。

 

バスと電車を使って、東京や横浜、京都など、

興味のある場所へ冒険してみたらどう?

 

すると彼は、

「どうやって行けばいいかわからない」

 

そういう事なら、行きたい所を行ってくれたら、

乗り換えのメモを書いて渡すよ。

すると今度は、

「日本のSIMじゃないからネットワークがない」

 

じゃあ、主人のSIMを入れて行ったらどうかな?

今一番行きたい場所はどこ?と聞いてみた。

 

すると彼は、

「インドの家の周り」と答えた。

 

そこで私は、友達のカナダ人とつい最近話した

トピックを思い出して彼にシェアしようと話し始めた。

 

think outside the box の話

カナダ人家族の家に遊びに行った時、

こんな話題になった。

 

カナダには、肌が白い人も黒い人も

お金持ちな家族も貧乏な家族もいる。

友達の家に遊びに行くと、

自分の家にはある家具やオモチャがないこともある。

そんな時は、その場所で、

何ができるか、

どうやって楽しく遊べるか、

考えて、楽しい時間を作り出んだ。

それが、

think outside the box

(型にはまらない考え方をする)

 

その話をした後、私は彼に伝えた。

 

自由に冒険していいよ。

行ってみたい所、みたいもの、自分の足で探してみて。

帰りのフライトはまだ1ヶ月以上先で、

この有限な時間を過ごすなら、

悲しいなって気持ちより、

楽しいな、ワクワクするなって気持ちを

たくさん集めた方がハッピーかなって私は思うよ。

でも、私にはあなたの考え方をコントロールする事は出来ない。

自分がどうしたいか考えて、

自分で自分を誘導してあげて。と。

 

すると彼は

「私には自分の人生に対して大きなプレッシャーを感じている」と。

 

そのプレッシャーは、どこからきているの?

と聞くも、答えは「わからない」とだけ。

 

「1人で出掛ける事」ただそれだけなのに。

私にはそう感じてしまうエピソードですが、

背景には色んなしがらみがあるんだと察しています。

インドでの生活でも感じた

「家族の愛の重さ」

それはとても素晴らしく、

尊敬出来る事であると同時に、

子供を強く縛りつけてしまっているようでもありました。

例えば、インドでの生活でのある日、

買い物の為に主人と2人で外出すると、

2時間ほどで家族から電話がかかってきました。

「いつ帰ってくるの?」と。

また、帰りが19時過ぎた日は「帰りが遅い」と。

 

心配してくれているその愛はとても嬉しいし、

無関心よりもいいとは思いますが、

相手にとってプレッシャーになってしまうのは

少し考える必要があるように感じます。

もちろん、ただただプレッシャーを感じて、

何も行動しない受け身の姿勢も検討が必要だと思います。

 

コミュニケーションがよく取れているインドの家族にも

こうしたギャップは生じてしまうんだな、と

考えさせられるエピソードでした。